ニューヨークのベンチャーキャピタル事情 (起業投資)
ニューヨークは、次のシリコンバレーともいわれる程、今起業が増えています。特にファッション、アート、ファイナンス、マーケティングの中心であるため、テックに限らずライフスタイル関連のビジネスが生まれる場となっています。VC(ベンチャーキャピタル)も、今ニューヨークに注目し始めています。先日、Softbank Capital, Union Square Ventures, Flybridge Capital Partners, Gunderson Dettmerの経営者が集まる会に行ってきました。
そこで得たTake Awayをまとめてみました:
1.Fund yourself (出来るだけ、他人の投資は受けとらない)
可能な限り、自分のお金で起業し、VCやAngelからの投資を簡単に受けてはならない。VCには、コントロールをお金で売ることになる。Angelとも、慎重な契約が必要。甘いValuationにより、信頼してくれる人に損をさせることも多い。
2.VC funding is like marriage (投資を受ける=結婚するようなもの)
どうしても投資が必要な場合、VCにピッチする必要がある。VC側に選ぶ権利があるように、自分もきちんと投資家を選ぶ必要がある。額に執着せず、契約の内容を吟味することが不可欠。契約はシンプルなものがいい。また、VC間のBiddingにより投資額を釣り上げることに成功したとしても、その後のVC側の期待値や不満がビジネスに影響を及ぼすこともある。結婚同様、簡単に破棄できない関係なので、総合的に選ぶ必要がある。
3.Surround yourself with experience and skill (人に助けてもらう)
起業経験者、メンターと交流し、彼らの経験から学ぶことは大切。様々なAcceleratorプログラムがあるが、きちんと選び、活用してネットワークをひろげることも大切。起業家は、自分にないスキルや経験を持つ人材をチームに採用することが大切。他人の力を活用できない人は、VC投資後・売却後、経営陣から外される傾向がある。
4.Pick Passion (好きなことを選ぶ)
熱い分野、お金になりそうな分野、色々あるが、自分が楽しいと思えるビジネスに携わることが最も成功につながる。過去に沢山の投資を行ってきたVCの方々曰く、これは明確なパターンだとのこと。
自分が一体何をして生きていきたいのか?これを明確にしないといけないと実感しました。今の会社で働くにしろ、起業するにしろ、大切なことですよね。。セクシーなビジネス案が沢山存在する中で、惑わされず、自分のPassionを提議することに集中しようと思いました。
ロンドン!!!(ニューヨークからの出張)
会社がロンドンのスタートアップに投資をしていることもあり、3ヶ月に1度、ロンドンへの出張があります。先週も行ってきました。
<気づいた点>
フライト:BAとAAはあまり良くない。。。
片道7時間前です。私はいつもAA(American Air)かBA(British Air)に乗ってます。どちらも、往復ビジネスで約US6500ドル。両方ともサービスとご飯のレベルが低く、苦痛です。
ホテル:高い!!!
ニューヨークと同じで、中心部では、US300ドル以下のきちんとしたホテルはありません。また、古いビルが多いので、一部では、ネズミやゴキブリが出たりするらしいです。私が泊まったホテルは、殺虫剤の匂いがきつかったです。涙 ホテルだけではなく、タクシーも15分程度の近い距離でもUS15ドルくらいするので、ニューヨークの倍はするでしょう。
食事:インド料理万歳!
インド料理のコースやタパス、カレーと色々食べましたが、どれもめちゃくちゃ美味しいです。少し高いですが、やっぱりインド料理が美味しい! 今までのNo.1レストランは、ここです:http://www.rasoi-uk.com/
中華、タイ料理は日本より本場っぽいお店が多いですが、ニューヨークのお気に入り店以上の所にまだ出会っていません。 Fish and Chips等の現地料理には、味に深みがなく、個人的にはあまり好きではありません。
人:ニューヨーカーより日本人に近い?
多くのイギリス人と仕事をしましたが、表現がニューヨークのビジネスピープルに比べて控えめで、落ち着いている気がします。同じ英語でも "Amazing" "Fabulous"等の表現はあまり使わず、自己アピール度でニューヨーカーが10であれば、日本人が1、ロンドンの同僚やパートナーは5という所だと思います。。日本でいうA 型気質の人にも良く出会います。
素敵な人が多く、演劇、パブ、クラブ等も充実しており、ロンドンは楽しーい!!でも、物価が高くて、天気が悪い上、インド料理以外はそれ程美味しくないので、ニューヨークから移住したいとは思いません。私にとっては、出張で行くのが理想的な関係なのだなと再認識した出張でした。 Coming back again :)
カリブの島 アンティグア & バーブーダ旅行記 (ニューヨーク発)
カリブの島と聞くと、ハイチやプエルトリコ、ジャマイカ、バハマ等が思い浮かびますが、今回、今まで知らなかった国:アンティグア&バーブーダのメインアイランドであるアンティグアに行ってきました。
アンティグアは、ニューヨークから飛行機で直通4時間の距離にある、人口8万人、面積280km2 の小さな島です。主な産業は観光業。植民地時代には農業が盛んであり、多くの奴隷が連れてこられたそうです。その中で環境に一番順応したアフリカ系が現在の人口の9割を占めているようです。
「リゾート」 施設は特別綺麗でもなかったのですが、海が美し過ぎて、全く気にならなかったです。モルジブやタイの島々、色々な所に行きましたが、エメラルド、濃い青、透明、と沢山の色を持つ海に惚れました。食事はオールインクルーシブで普通でした。カクテルは、基本的に頭が痛くなるほど甘かったので、ウィスキーやワインを飲んで過ごしました。
リゾート内で殆どの時間を過ごしましたが、セント・ジョンズという首都・町も散策しました。小さくて可愛い町でした。
「人」 観光客相手だからか、現地の人はみなさん陽気でいい人ばかりでした。公用語は英語ですが、一部でクレオール(英語ベースの現地語)を耳にしました。イギリス発音のスーパーモデルのような背が高くて綺麗な女性や、マッチョなイケメン男性も比較的多かったです。海で知り合った女性は、18歳で子供を生み、彼女の母親は35歳とのこと。35歳のおばあちゃんって凄い!と反応した所、アンティグアでは珍しくないと笑われました。また、ビーチで寝ていると、リュックを背負った中学生くらいの男の子から、"Do you smoke?"と聞かれました。どうもマリファナ・麻薬売りの少年だったようです。笑)
さて、観光客層ですが、アメリカかヨーロッパの田舎から来た高齢者が大半でした。ビーチを見渡すと、ぶよぶよで真っ赤に日焼けしたレッドネック(田舎の白人)がゴロゴロ転がっている感じでした。滞在時間も1-2週間と長いようです。アジア人はほぼ私達だけであり、何度も"Where are you girls from?"と聞かれました。リゾートだけでなく、飛行機の中も老人か、子連れファミリーばかりでした。
一緒に行った友人達、海、現地の人のおかげで、最高のバケーションを過ごせました!もう一度行くことはないかもしれませんが、職業病なのか、ビジネスチャンスはあると実感しました。アンティグアに2-30代を対象にしたイケてるパーティーリゾートを作れば、ニューヨークから6時間かけてベガスに行く団体マーケットを確保できるのではないかと思います。美しすぎる海、カジノ、ノリのいい現地人もいるので、コミュニティーマーケティングのチャンス大ありです!!
ニューヨークは今マイナス5度。。アンティグアで開ききった毛穴が悲鳴を上げています。寒さにまけないために、今夜はレストランウィークを活用し、週末は友達とホテルスパで遊ぶ予定です。
TGIF!!!
ニューヨーク・マンハッタンで働く日本人女性
ニューヨーク・マンハッタンに赴任してきて1年半、色々な日本人キャリアウーマンに逢う機会がありました。全体的にエネルギッシュな人が多いという印象であり、マンハッタンで働くきっかけとしては、赴任(研修・駐在)、在日外資からの派遣(グローバルロテーション)、留学や結婚を通じて現地で就職、起業という感じです。
外資の派遣は金融が主であり、お給料や社内のポジションも良いイメージです。一方、日経の駐在員は、お給料はバラバラですが、家賃手当が出るので、高いマンハッタンでの暮らしが可能です。赴任は、研修で1-2年、駐在員で3-5年が平均だと思いますが、会う人殆どが日本に戻りたくないといいます。
「住めば都」原則以上に、マンハッタンには、不思議な魅力があるのだと思います。東京の方が綺麗で、交通機関もきっちりしていて、サービスは徹底されていて、安全で、食事も安くて美味しいし、可愛いお店が多いのに、何故戻りたくないと思うのか、。
その不思議な魅力の原料は「合理性」と「自由度」なのだと思います。
「合理性」
無駄なことに時間をかけなくていい、割り切り具合が心地よいのだと思います。職場の例をあげると、仕事とプライベートをきっぱり別ける傾向があります。部署飲みも少なく、あったとしても、社費+解散時間が早く設定されています。海外出張に行く際も、同行する同僚と現地の会議室で待ち合わせをする感じです。日本時代、上司と一緒のフライトとホテルを予約し、予定表を作り、飛行機で一緒に座り、常に一緒に行動することが普通でしたが、今やそれが自分にできるか不安です。また、個別相談や根回しもあまり必要なく、全員が同じ情報を持って一括に決断することが多いです。結果重視なので、上司が帰るまで待って帰宅するというような状況は見たことがありません。細かい気遣いや遠慮に時間を使わないので、ムカつくことももちろんありますが、慣れると楽なのだと思います。
「自由度」
多様な人種と文化が活躍する場なので、結果さえ出せば、他のことで鑑賞されたり「あるべき論」を押し付けられることがないのも、快適なのだと思います。流行りやファッションもバラバラです。日本のオフィスでは袖なしや素足はNGでしたが、今やそんなことを考えることもなくなりました。また、女性に対して差別をすることを恐れるため、レディーファーストであり、女性の方が立場が強い場も多いです。
このような魅力に慣れてしまうと、きちんとした日本に帰ることが怖く、窮屈に思えるのだと思います。5年の任期を終えて帰国する友達が社会リハビリが必要だと不安がっていましたが、やはりここから形式にこだわる規律正しい社会に戻るのは大変でしょう。。
Land of the free.♪♪
「スタンフォード」「ハーバード」ネタの本出版について
最近よく「スタンフォード」か「ハーバード」のキーワードを含む本のタイトルを目にします。サンデルの白熱教室以降、日本では、アメリカのトップスクールに対する関心が増えているのではないかと思います。その中、友人が新しく「スタンフォードの未来を創造する授業」という本を出しました。まだ入手できていませんが、とても想像力豊かでバイタリティーあふれる著者なので、楽しみにしています。
立て続けに知人が本を出すこともあり、少し本の出版について考えさせられました。このような出版の目的としては、読者にメッセージを届けることや印税もありますが、自分の活動の宣伝やクレディビリティー確立のためでもあると思います。特に起業している人にとっては、とても良いマーケティングツールです。自己出版でない限り、書く労力にもよりますが、ROIの高い活動ですよね。
「スタンフォード」、「ハーバード」ネタで、もしあったらすぐに読みたい本の題名を考えてみました。笑)
1.スタンフォード流 日本メーカーを救うイノベーション
2.女性マネージャーへ スタンフォードビジネススクールに学ぶ
3.世界のハーバード政治学PHD達が考えた、日本政府の To Do List
Back to work....
ザ・ニュー・ノーマル(The New Normal) ゲイ・LGBTについて
米国ドラマ「Glee」のプロデューサーが手がける、「ザ・ニュー・ノーマル」は、白人ゲイカップル、彼らの代理母(シングルマザー)、代理母の娘と代理母の母、そして黒人アシスタントによって繰り広げられるファミリーコメディーです。コンサバ白人の思想を小馬鹿にしながら、新しい家族の形を描くものであり、一部の保守的団体から抗議を受ける程、ぶっ飛んだシリーズです。
LGBTという名詞がありますが、これは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの略であり、今や米国では大学入試の枠が設けられる程浸透しています。米国では、サンフランシスコとマンハッタンにしか住んだことがないので、LGBTは全く「ノーマル」なことですが、日本に一時帰国したり、郊外を訪れたりすると、自分がいかに特殊な環境にいるかを再認識させられます。様々な定義や統計が存在しますが、よく言われるのは、LGBTは米国人口の5%前後。マンハッタンのおしゃれエリアやサンフランシスコの町ですと、6人に1人はLGBTなのではないかという感触です。老人男性同士がキスをしていたり、幼い女性二人が手を絡めながら歩いているのは、日常の光景です。また、そのノーマルに慣れてくると、ゲーダー(ゲイを見分ける能力・レーダー)も鋭くなってくるようで、誰がゲイで誰がストレートか、すぐ分かるようになってきた気がします。
先日一時帰国をした際、ゲイの男性友人から女性と婚約したと聞かされました。その時も私の鍛えられたゲイーダーは鳴りまくっていましたが、ゲイからストレートになったのと問い詰めた所、「ゲイだと知っているのは、ほんと数人だけなんだからね!」との答え。日本はゲイにとって住み辛い場所なのだろうと、その時考えさせられました。
日本でこのドラマはかけ離れた世界として捉えられそうですが、より多くの人が見ることで、自分のジェンダーに自信を持つ人やLGBTを受け入れる人が、少しは増えるのではないでしょうか。
米国は1月21日がマーチンルーサーキング(i have a dreamの人)の誕生日なので、休日です。3連休、友達と旅行にいってきまーす。 Have a great week end!!
職場のCredit Snatcher (功績泥棒)対策!!
米国では、思い切り歳下と恋愛する人を"Cradle Snatcher”と呼びます。直訳すると、「ゆりかご泥棒」。。赤ん坊を盗む奴というニュアンスです。
そして、私が働くマンハッタンのオフィスでより多くみられるのが、"Credit Snatcher"。これは造語ですが、「功績泥棒」 、いわゆる人のお手柄を横取りしてしまう奴です。
今日は、そのCredit Snatchersと共に日々働き、血と汗と悔し涙を流しながら学んだ対策方法をシェアさせていただきます。
<Credit Snatcherについて>
~会社のクリスマスパーティー;大勢の役員の前で、エミリーが何故かマイクに向かい、チンチン―♪っとグラスをスプーンでたたく。「一言申し上げます。なんと本日、XX社との史上最大ディールをまとめることができました。死ぬほど努力をすれば、結果もついてくると改めて思い知らされました。この場をお借りして、私をサポートをしてくださった方々に感謝します」と。。盛大な拍手を背景に、もう一人の女性サラの顔が凍りつく。。本当は、サラがディールを提案し、1年間必死で実現したものだった。エミリーは単に、最後の商談に同席しただけだ。しかし、この瞬間、ディールはエミリーのものになってしまった。~
「500億の売上を見ているんです」「世界の2000販路をまとめて管理してます」という言葉をよく耳にしますが、鵜呑みをしてはいけません。その中にエミリーのようなCredit Snatcherはいるはずです。
日本では、「脳ある鷹は爪をかくす」という言葉があるように、謙虚であることが美徳とされています。私も日本人女性として、謙虚で優しいことが良いことだと教えられてきました。しかし、それだけでは、Credit Snatcherが蔓延する職場で、生きてはいけません。
<Credit Snatcher 対策方法>
1.ディフェンス
もし、努力して得た結果が誰かに盗まれてしまったら、それはディフェンスが弱いからです。容易に攻撃を受けないためにも、あやしい人には必要以上の情報を共有しない、仕事の進捗を偉い人も含めて報告する、そして何かが起きた時に抗議する勇気のある人だと知らせる必要があります。
2.線をひく
ドロドロした環境で、悔しさや怒りにまかせて同じ土壌で戦ってはいけません。自分に大切なものが何かを定義し、一貫性を持って行動することが重要です。「誠実さ」、「謙虚さ」が大切なのであれば、言葉と行動で伝える必要があります。ディフェンスがしっかりしていれば、謙虚であることが邪魔をすることはありません。むしろ、強みになることだってあるはずです。
3.交互作用を理解する(Power of reciprocity)
もし、誰かを助けてあげた場合、受益者はそれを覚えているかもしれないし、忘れてしまうかもしれません。つまり、職場で困っている人がいた場合、出来る範囲で助けてあげた方がいいでしょう。しかし、立場が逆になった時、恩を返してもらえる確率は低いと認識しておくことが大切です。 第二に、もし、誰かに害を与えてしまった場合、被害者は必ず覚えています。そのため、ドロドロな競争に吸い込まれそうになった場合、覚えておかなければならないことがあります。攻撃をしたら、自分にダメージがある形で報復される可能性が高い。つまり、人に害は与えない方がいい。そして、どうしても攻撃しなければならない場合、事前にしっかり考え、覚悟を決め、相手が報復できないよう、心臓を突きぬくのみです。
さぁ。。今日もこれから会議です。。Have a great day!!!
P.S
そもそも、米国にCredit Snatcherが多い背景には、小さい頃からの教育と雇用環境があると思います。特に雇用は安定しておらず、短期間で結果が求められます。社内の生存競争がCredit Snatcherを更に進化させているのではないでしょうか。